スタッフブログ担当のFです!
今回は、血圧シリーズ最終回。
一般的に、血圧は公式で表されます。
血圧=心拍出量×末梢血管抵抗
つまり、心臓から一回の拍動で送り出される血液量と末梢血管の状態によって決まるということです。
なので、運動すれば血流がよくなるので、血圧は上がります。
寝起きは、自律神経が活発になるので、血圧は上がります。
寒いときは、体温を守るため血管は収縮しやすいので、血圧は上がりやすくなります。
冷たいものを触ったときや内臓が何かの影響で冷えた時も、血圧は上がります。
緊張したり不安を感じたときも、血圧は上がりやすいはずです。
一日の内でも血圧変動は当然あって、朝に上がりやすくなるのは、ご理解いただけると思います。
緊張と言えば、病院で測ると血圧が高くなるという人も少なくないようですね。
ところで、風邪を引いた時、多くの場合熱が上がります。
これは、風邪の原因であるウィルスから身を守る生体防御反応によるものです。
ウィルスを排除するため、咳して、くしゃみして、嘔吐して、下痢して、体外へ出そうとする反応も起きます。
(ひょっとするとウィルスが感染しやすくするために、人間にそういう反応をさせるのかもしれません)
熱が高いことを「高熱」と言います。
血圧が高いことを「高血圧」と言います。
ということは、「高血圧」は状態の名称であって、本来病気の名称ではなかったということになりますね。
何かの原因があって、血圧を上げないといけない生体反応が起きたということになります。
その「何か」は、何なのか?
それが、今の医学では、まだ解明されていません。
なので、高血圧の約90%は、「本態性高血圧」と言って、原因不明です。
今は、仮定として「内臓脂肪」とか「異所性脂肪」と言った説で説明されることが多く、本来生活習慣を見直して、食事療法や運動療法が基本であったのが、薬物療法が主流になっているようです。
降圧薬の種類も現在は多様化してきました。
昔から使われてきた、中枢神経阻害薬は、もうあまり使われなくなり、そのあと出てきた利尿薬やβ遮断薬も主流ではなくなりました。
一時はα遮断薬やαβ遮断薬も使われた時代がありましたが、今ではかなり限られたタイプの患者に使われるようになったようです。
現在の主流は、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARBと言った、「血管の収縮を緩和する」作用のものが多く使われるようです。
これらの薬剤の開発によって、脳血管疾患や心血管疾患は減り・・・
と言いたいところですが、実はここ20年ほどは、死亡者数は減らず、心血管疾患に至っては増加傾向にあるのが現状です。
高血圧治療の本来の目的である「脳や心臓の病気予防」につながってはいません。
また、高血圧は、糖尿病や高コレステロールや痛風や悪性新生物との関係も深く、薬物治療に頼ると併発することが多いようです。
ちなみに、10万人あたりのドクター数No1の徳島県は、糖尿病が多いことで有名ですし、反対に日本一長寿県の長野県は医療機関が少ないことで有名です。
以下は、私見です。
あらためて、生活習慣病と名付けた本来の意味を見直し、食事と運動を主とした健康作りが求められていると考えています。
単純に、塩分を控えたら良いとか、カロリーを控えたら良いとかだけでなく、
身体と心の両面から健康というものを考えないといけないのかもしれません。
3大栄養素でいえば、現代人は「タンパク質」が不足しているように感じます。反面、糖質と脂質は過剰摂取状態のようですね。
血流を維持するために、薬物療法をしないか、
血流が少々悪くなっても、血圧は所謂正常値に下げるかは、
本人の生き方の問題であり、選択権は本人にあると思うのです。
これが、セルフメディケーション!!
解決したいのは、脳や心臓疾患の減少であり、男性約9年・女性約13年の寝たきり期間の短縮だということを忘れないでおきたいものですね。
生活習慣を見直すという事は、どう生きるか?ということにも繋がっていくことなのかもしれません。